TANZAQプロジェクト完了インタビュー
難民が難民としてではなく、魅力的な人材として日本で活躍するために【完了インタビュー】
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ACTIVITY
社会課題の現状
WELgeeは日本にいる難民の方々と活動しています。迫害等の恐怖があり、自国に守ってもらえず、故郷を離れざるを得なかった方々は、日本において、政府に難民として認めてもらうための申請を行います。彼らの長期的かつ安定的な在留を可能にする唯一の方法は、政府による難民認定ですが、長年にわたり難民認定者の割合は1%以下にとどまっています。難民認定を待つ間、6ヶ月間の在留資格を更新し続ける彼らは、不安定な法的地や日本社会からの断絶、そして母国の複雑な状況が続く中で、精神的に追い詰められて行きます。
団体の活動内容
私たちは「自らの境遇にかかわらず、ともに未来を築ける社会」の実現を目指し、社会的な不理解や法的制度上の課題により困窮する、日本に逃れてきた難民たちの社会参画の機会を創出しています。中核事業として、日本に逃れた難民の方を対象に、「育成・採用・定着」の一貫した伴走を行い、人材の強みを活かしつつ、企業のダイバーシティ、グローバル化の推進に貢献する人材紹介サービス「JobCopass」(ジョブコーパス)を運営しています。文化・言語・在留資格などの壁により自らの可能性を活かすことができず、通常いわゆる3K労働に従事しがちな難民当事者を、彼らが本来持つスキルや逆境を乗り越えてきた経験、パッションを活かせるような安定したホワイトカラーの仕事につなげ、安定した在留資格に変更することにより、中・長期的な人生設計を行うことを可能とします。
目指す未来の状態
「難民」という背景を超えて、誰もが「自分らしさ」を活かしながら、未来をつくり変えられるように、一時的・一方的な支援ではなく、難民当事者が自ら人生設計をし、慢性的な貧困状態から抜け出すための道筋として、社会が彼らを人材として受け入れる素地を日本社会の様々なステークホルダーとつくることを目指しています。
実現へ向けた課題
難民の背景を持つ人材の魅力に気づき、採用に興味を持ってくださる企業様の数がまだまだ限られています。その背景には、そもそも日本国内に難民がいることが周知されていないことや、「難民 = かわいそう」というネガティブなレッテルがあること、そしてすでに活躍している難民の方々の情報発信を効果的に行えていないことが原因にあります。
さらに、コロナ禍における入国制限や移動制限により、WELgeeへとアクセスしてくる難民申請者の方の数が減少しています。難民状態に置かれ、困っている方々への認知を広げるための活動がまだ不十分であり「WELgeeに相談したら自分の人生が切り拓けるかもしれない。」と信頼をしていただくための情報発信をこれまで以上に強化する必要があると考えております。
上記を解決するために、当プロジェクトで取り組むアクション
まずは、企業や難民申請者を含む幅広いステークホルダーとWELgeeとの接点である公式Webサイトをリニューアルし、ステークホルダーに対して、団体の活動内容や関わるメリット、関わり方などを簡潔かつ明瞭に伝えることのできる状態を目指します。
その上で、難民の背景をもつ人材の採用に興味のある企業人に対して、難民の人材の魅力を知ってもらえるコンテンツを発信します。また、JobCopassを通じて採用をされた人材の活躍事例や、人材を受け入れた企業様の声をコンテンツとして可視化し、より多くのビジネスパーソンに対して、難民人材の採用に興味を持ってもらうことを目指します。
また、難民状態に置かれ、困っている方々への認知を広げるための活動を強化し、より多くの難民の方に対して、育成機会やキャリアへの伴走の機会を提供します。