一般社団法人ゆうきとのぞみ
難病児を支え、誰もが“じぶんを生きる”社会をつくる。
ACTIVITY
社会課題の現状
小児がんや難病は、いつ誰が発症するかわかりません。私たちは、突然の理不尽と向き合う子どもたちを無条件に応援したいと考え、病室にワクワクを届ける活動を始めました。日本では、毎年約2,500人の子どもが新たに小児がんと診断されています。小児がん以外にも、さまざまな難病や慢性疾患によって、長期入院を余儀なくされる子どもたちがいます。子どもたちは治療だけでなく、学校や友達から離れる孤独、将来への不安など、当たり前だった日常から離れるつらさにも向き合っています。 医療や治療の進歩に比べ、入院中や治療後の心の支援は、まだ十分とはいえません。国立がん研究センターの調査でも、悩みを相談できる支援や場所が「十分にある」と答えた人は39.7%でした。心の負担は外から見えにくく、専門職の人数にも限りがあるため、支援が届きにくい現状があります。 そして、「比較」「孤独」「未来への不安」は、病気のある子どもだけの問題ではありません。私たちは、病室にワクワクと表現する機会を届けることから、誰もが自分らしく生きられる社会を目指しています。
団体の活動内容
当法人は2025年7月から、国立成育医療研究センターや兵庫県立こども病院などと連携し、難病と向き合う子どもと家族の心を支える活動を行っています。 その活動を通じて、大きな気づきがありました。子どもたちやサバイバーの中には、理不尽な状況に置かれながらも、自分なりの向き合い方や、生きていくための答えを見つけている人たちがいます。さまざまな制限や不安の中でも、自分の気持ちを大切にし、自分らしく生きようとする。その姿には、私たちの誰もが学ぶことのできる「心の知恵」があると感じました。 私たちは、人の感情や感覚をものづくりに生かす「感性工学」の視点と、医療・心理などの専門職の助言をもとに、心の生きづらさを和らげ、自分らしさを育むための考え方を、次の4つに整理しました。
「本来の自分に戻り、気持ちをゆるめる」 「小さな『できた』を重ねる」 「夢中になり、気持ちを表現する」 「人とつながる」
この考え方に沿った文具や遊びのアイテムを詰めた「ゆうきとのぞみBOX」の配布、病気と向き合いながら活躍するゲストを招く「ゆうきとのぞみ塾」、病院の中に楽しさや思い出を生み出すフォトスポットの展開などを行っています。
目指す未来の状態
「難病児を支え、誰もが“じぶんを生きる”社会をつくる。」これが、私たちのミッションです。
他人と比べるのではなく、弱さや不安を抱えながらも、自分の気持ちや個性を大切にし、「それでも、わたしは幸せ」と言える社会を目指します。
そして、難病と向き合う子どもたちやサバイバーを、支援されるだけの存在にはしません。子どもたちが理不尽な出来事の中で見つけた工夫や、自分らしく生きるための「心の知恵」を社会へ届け、その学びがまた子どもたちを支える力になる。そんな、支えることと学ぶことが循環する未来をつくります。
実現へ向けた課題
病気や治療と向き合う中では、心や身体に力が入り、自分の気持ちに気づいたり、言葉にしたりする余裕を持てないことがあります。また、社会全体にも、弱さや不安を隠し、他人と比べて自分を否定的に捉えやすい状況があります。さらに、難病と向き合う子どもたちやサバイバーが身につけた「心の知恵」は、まだ十分に社会へ届いておらず、支援も一方向・一過性のものになりがちです。
心と身体をゆるめ、自分の気持ちに気づき、表現し、社会とつながる機会と、その学びを次の支援へ循環させる仕組みが必要です。
