NEWS NPO法人School Voice Project 様への広告出稿が決定しました
NPO法人しぶたね

「きょうだい児」の理解と支援のある未来を築くために完了インタビュー】

TANZAQ の出稿先プロジェクトとして選ばせていただいたNPO法人しぶたねさま。
1年間のプロジェクト実施期間を満了した今、感じていることを伺いました。

NPO法人しぶたね

病気や障がいのある子どものきょうだいたちが、安心して子ども時代を過ごせるために活動している。医療や福祉の分野以外の方にも「きょうだいの日」に興味をもってもらうため、「きょうだいの日(SiblingsDay)」を広め、認知度を上げると共に興味を持ってもらえるようなコンテンツを発信している。

聞き手
大森 一弘(株式会社Yogibo執行役員、TANZAQ 担当)
語り手
清田 悠代さん(NPO法人しぶたね 理事長)、眞利 慎也(NPO法人しぶたね プログラムディレクター)
日時
2023年2月13日インタビュー実施

きょうだい児支援の活動から、社会への啓発活動まで

しぶたね

大森:しぶたねさんの活動内容と「きょうだい児」について改めて紹介してください。

清田:病気や障害のある子どものきょうだいを「きょうだい児」と呼ぶことがあります。大人の目は病気や障害のある子どもに集中しやすく、きょうだい児たちは、寂しさ、不安、孤立感、罪悪感など複雑な気持ちをひとりで抱えていることがあります。その影響が大人になっても続くこともありますが、支援の場はまったく足りていません。

しぶたねは主に、きょうだい児たちに直接関わる活動と、社会への啓発活動という2つの柱で活動しています。当初は子どもたちと関わるワークショップが主だったのですが、子どもらしく笑っていたきょうだい児が家に帰る時緊張した面持ちに変わる瞬間や、きょうだい児がワークショップに参加して「ここには守ってくれる大人たちがいる」と話してくれたことが印象的で、きょうだい児が日々を過ごす社会が優しく変わってほしいと痛感し、啓発活動に力を入れるようになりました。

大森:しぶたねさんの活動の中で、印象的なエピソードはありますか?

清田:以前初めて病院内の活動に参加してくれた男の子が「ここって僕のための場所なんだよね?」と嬉しそうに確認してくれたことが印象に残っています。自分の為の場所を喜んでくれる子どもたちのために居場所を守りたい、もっと増やしたいという思いが、今でも活動の糧になっています。

眞利:きょうだい児が頬を真っ赤にしてはじける笑顔で走り回っている姿を見ると、活動していて良かったなと実感します。以前子どもたちに「障がいや病気、今置かれている状況は君たちのせいじゃないよ」と伝えたところ「そう言ってもらってよかった」と家で保護者の方に話してくれていたと聞いて、それから子どもたちを想う言葉は惜しまず伝えるよう意識しています。当たり前の一言を言っただけでそんな風に感じてもらえるほどの状況にきょうだい児が置かれていることを、改めて実感するエピソードでもありました。

スポンサーからの支援を当事者にわかりやすく伝えるために

しぶたね

大森:TANZAQに応募いただいたきっかけは何だったのでしょうか?

清田:日頃からきょうだい児への応援が目に見えることを大切にしており、しぶたねのイメージキャラクターであるきょうだい児を応援するヒーロー「シブレンジャー」に、F1レーサーのような企業スポンサーのワッペンをつけたいと思っていました。そんな時TwitterでTANZAQ参加団体募集の案内を見かけ、迷わず応募しました。

大森:シブレンジャーが着用したYogiboワッペンの反響はどうでしたか?

眞利:子どもたちの反応はとても良かったです。「なんでYogiboのワッペンをつけてるの?」と必ず聞かれるため、「Yogiboがみんなを応援しているんだよ」と説明することができました。みんなが知っている大きな会社がきょうだい児を応援してくれているということが励みとなり、さらにYogiboを身近に感じることができたと思います。

一般的に企業などから病気の子どもたちに支援がある場合、病気を抱える当事者の子どもにだけぬいぐるみなどが届くことが多く、きょうだい児まで配慮されることは少ないです。こういった現状に複雑な感情を持つきょうだい児が多いなか、Yogiboは自分たちの方を見てくれていることが明確にわかり、とても嬉しかったと思います。さらに流行の最先端のイメージがあるYogiboから応援してもらえることを誇らしく思ったようで、シブレンジャーがきっかけでYogiboのファンになって、Yogiboを買ってくれた子どもたちもいました。

大森:しぶたねさんはYogibo Racing2022年シーズンのレーシングカーに、TANZAQ参加団体としてロゴを掲載いただきましたよね。こちらも反響はありましたか?

眞利:レーシングカーは、車が好きなきょうだい児をはじめとして大盛り上がりでした。SUPER GTの車両にしぶたねのロゴが載るなんて今まで活動では考えられないことで、「世界一かっこいいフェラーリだった!」と多くの関係者から連絡をもらいました。

しぶたね

すべての「きょうだいさん」を応援することで大成功に終わったSNSキャンペーン

しぶたね

大森:TANZAQ参加期間中に実施した企画の中で、Twitterキャンペーンは特に反響がよかったですよね。動物やぬいぐるみなどを問わない「きょうだいみたいな存在」とのエピソードを募集したキャンペーンは、分かりやすく多様性というテーマを表現する発信だったと思います。

日本には障がいや難病を伴ったきょうだい児以外にも、家庭環境などの影響を受けて悩む子どもたちもたくさんいます。きょうだい児に限定せず、全てのきょうだいにスポットライトが当たる取り組みだったと思います。

清田:難病や障がいのに限定してしまうと、それ以外の一般の方に届きにくくなりますので、海外できょうだいに感謝する日として広く認知されている「きょうだいの日(Siblings Day)」と繋げることにしました。「きょうだいの日」が日本で広まることで、さまざまなかたちのきょうだいが尊重され、きょうだい児にも応援が届くような日になればと思い、きょうだいの日に合わせてキャンペーンを実施しました。

お陰様でキャンペーンは1,000件を超える応募投稿が集まるほど、しぶたねとして一番成功したキャンペーンとなりました。メディアの方からの反響もあり、多くの方に記念日を知ってもらうきっかけとなりました。

大森:きょうだいの多様さをテーマにしたことが、キャンペーンが成功して「きょうだいの日」が広がった大きな理由だったのでしょうね。まずは知ってもらうことで、関心を持ってもらえるきっかけになりますよね。
TANZAQの中で取り組まれた広告に関して、何か苦労されたことはありますか?

清田:最初はSNS発信からキャンペーン企画まで何もわからず苦労しましたが、何度もアドバイスをいただき、とても勉強になりました。TANZAQを通じて他の団体さまの発信を見る機会も増え、福祉業界らしい発信と一般的に受け入れられやすい発信のバランスが大切だということがわかり、参考にさせていただいていました。

眞莉:SNSの数字と向き合う機会が増え、アカウントを成長させていく楽しさを味わうことができました。今後もその感覚を忘れず発信していきたいと考えています。

今後の活動について

しぶたね

大森:今後のしぶたねさんの目標を教えてください。

清田:きょうだい児や病児に関わらず、すべての子どもが安心できる環境のなかで過ごしてほしいという想いは20年変わりません。

子どもたちのしんどさや頑張りを知る人が1人増えれば、社会はきょうだい児にとって1つ優しくなります。特に、きょうだい児を取り巻く環境整備のための制度や法律を改善していくには、まずきょうだい児を知り、社会の課題としてみんなで考えることが必要です。引き続き啓発活動として、「きょうだいの日」を通じたきょうだい児の認知拡大や、「シブリングサポーター」というきょうだい児の支援者を増やしてつながる研修などを行っていきます。

大森:自分たちだけで課題解決しようとするのではなく、企業や自治体などいろんなところを巻き込んでいこうという姿勢はとても大切だなと感じます。きょうだいの日の普及とともに、しぶたねさんの活動が日本で広まっていくことを応援しております。
この度はインタビューにご協力いただき、ありがとうございました!

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